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ご挨拶 学校長 越田 佳孝

「創立記念式」

 同窓会の皆様には、日頃から本校の教育活動に、多大なるご理解とご支援を賜っておりますことに、厚く御礼申し上げます。洲本高等学校は今年で創立120年を迎えます。詳細は、同窓会総会でお知らせいたしますが、現在、10月21日に創立120周年記念式典の準備を進めております。

 5月10日は創立記念日でした。定時制は5月9日に、全日制は5月10日に創立記念式を行ないました。創立記念式では、全日制も定時制も、校長の式辞(各HPに掲載)の後、校歌を高らかに歌い上げます。全日制では「思い出の校歌」として旧制洲本中学校と淡路高等女学校の校歌を聴き、定時制では「応援歌」を歌います。私の式辞は毎年ほぼ同じです。新しいことを付け加えたりはしません。創立記念式の目的は、「洲高」とはどういう学校かを知り、愛校心を高め、「洲高生としての誇り」を涵養することだからです。毎年、以下のように結びます。

photo.jpg  …これまでの120年、洲本高等学校はそんな学校でありました。これからもそんな学校であり続けなければなりません。私たち世代に課せられた使命は、洲本高等学校創設の精神を受け継ぎ、それをさらに次の世代に受け渡していくことです。それが歴史であり、伝統であり、それを守り伝えていくことが、今を生きる私たちの「使命」であり「誇り」なのです。今日は、本校の「歴史」と「伝統」そして私たちの「使命」と「誇り」について話をしました。本校の「歴史」と「伝統」、そして自らの「使命」と「誇り」について今一度確認する。「創立記念日」とはそういう日なのです。ともに精進を重ねましょう。

 5月9日の定時制創立記念式では、平成17年度、18年度に本校定時制教頭として勤務いただいた岩本文男さん(のち県立湊川高等学校校長)のお話しです。演題は「私の第二の人生」。現役の頃から心臓に疾患を抱えながら勤務し、退職後、大きな手術をして一命を取り留めました。その後は「拾いものの人生」と思って、小野市の実家で様々な野菜、果物づくりに取り組み、さらには手作りのログハウスやピザ焼き石釜で地域の人々と豊かに、楽しく暮らしている様子を、たくさんのスライドを用意したパワーポイントで話していただきました。実のところ、最初は、校長として内心「見知らぬおじさん」の野菜や果物作りの話を、生徒は静かにきくだろうかと心配しました。しかし、実際は、生徒たちは静かにしっかりと岩本さんのお話を聞いていました。さらには「作った野菜・果物を道端で販売するのに、警察や保健所の許可がいるのですか」という質問も飛び出し、「生鮮野菜・果物は何の許可もいりません」との回答をいただくと、「貴重なことをお聞かせいただきありがとうございました」と丁寧に礼を述べていました。最後に、岩本さんからは「最後まで静かに聞いていただきありがとう」と反対にお礼を言われました。校長としてこれほど嬉しいことはありません。

photo.jpg  5月10日の全日制創立記念式後には洲本高等学校52期の大継康高さんの記念講演がありました。35歳。洲本高等学校卒業後、京都の大学を経て、映像制作会社に就職、テレビ番組やCMの制作現場で映像づくりを学び、2012年に独立して設立した映像制作会社「海空」の代表です。演題は「海の映画館をつくろうプロジェクト」。もともと高校の地理歴史の教師になりたかったそうですが、それを断念して今の仕事へ。大継さんは、大学の時も就職してからも、躓いたとき、困ったときにはふるさと洲本に帰ってきて、大浜海岸で「ボーッ」と海を眺めていたそうです。「この大浜海岸で、海をバックにして映画を上映する映画館ができたらといいなあ」と考えていたとのこと。昨年、ついにこの長年の夢を実現させました。「うみぞら映画祭in淡路島」(右は今年のポスター)。自らの初めての監督作品「あったまら銭湯」(主演笹野高史 洲高昭和42年卒19期)も上映しました。

photo.jpg 大継さんは「自分のような若造が映画祭を企画するには本当に多くの人に助けていただいた。ふるさとは素晴らしい」と話していました。講演の最後の質問コーナーでは、3年生の女子が「映画祭のチケットはいくらですか? 高校生の割引はないのですか?」との質問がありました。大継さんはからの「事務所と検討します」との回答に、会場から大拍手がおこりました。夕刻、高校生1,000円券を800円に、2,000円券を1,500円に割引すると連絡が入りました。何でも言ってみるものです。そして、このあたりの「ものおじしない」ところが洲高生なのですね。